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200年を超える老舗時計ブランド創業年ランキング国別検証

積み重ねてきた長い歴史がある
時計界には、創業から200年を超える老舗が、いくつもある。長い歴史の中で積み重ねた技術の研鑽と技巧とが、価値ある時計を生む。

優れた歴史的遺産を手本に新たなヘリテージを創出
オーデマピゲは老舗時計ブランドの中で唯一、創業者一族による家族経営を連綿と継続してきた。これは、極めて幸運な例。ほとんどの老舗時計ブランドは、何度も経営危機に陥り、他社に譲渡され、現代にいたっている。オーデマピゲ コピー経営を脅かした要因は、戦争や金融恐慌、クォーツショックなど。繰り返す経営危機に見舞われながら、今も名を残す老舗は、単に長い歴史を持つだけでなく、未来に受け渡すべきヘリテージを持つ名門揃いである。そして今の経営陣は、ブランドの正統性を確立するために歴史を精査し、特徴ある機構やデザイン、装飾などをすくい取り、現代的に進化させる丁寧な時計製作を続けている。

例えば現存する最古の時計ブランド、ブランパンは、1983年に復興を果たすと、ミニッツリピーターをはじめとする複雑機構を発表。実力派メゾンとしての名声を、取り戻してゆく。さらにスウォッチグループ傘下になって後の2010年には、ムーブメント会社フレデリック・ピゲと経営統合され、自社製ムーブメントの開発に一層の拍車がかかった。

英国時計の名門アーノルド&サンは、長い休眠状態を経て、1995年にスイスで復活。そして2010年、優れたムーブメント製作で知られるラ・ジュー・ペレ傘下となって、創業者製作の懐中時計に倣う英国スタイルの上質なモデルを次次と生み出して、見事に再興を果たした。

パリで創業したブレゲも、経営陣の交代を受け、1976年から製作拠点をスイスに移した。稀代の天体時計師が創業した名門は、1999年にスウォッチグループ傘下となったことで、大きな飛躍を果たす。カギとなったのは、やはりムーブメント会社。名機を多く持つヌーベル・レマニア社と統合させて、その工場に資本投資をし、拡張。高級ムーブメント製作を推進すると同時に、様々な革新的複雑機構の開発も可能としたのだ。

東西冷戦で休眠を余儀なくされたドイツの名門A.ランゲ&ゾーネが再興を果たしたのは、1990年のこと。その4年後に当時VDOグループ傘下だったジャガー・ルクルトとIWCの技術協力で、極めて上質に仕上げられた4つのコレクションを発表。世界的に大評判となった。以降、創業の地でザクセン州の伝統的技術を受け継ぎ、独創的な自社製ムーブメントの数々を生み出している。

これら各国を代表する老舗時計ブランドは、機構的に優れているのはもちろん、そのムーブメントと外装の仕上げの美しさでも極めて評価が高い。蘇った名声を再び失わないよう、徹頭徹尾、心血を注いだ真摯な製作を続ける老舗の時計は、未来に受け継ぐべき現代のヘリテージだ。

古豪ブランドを有する4強

ヨーロッパで、古くから時計の歴史に関わってきたのは、イギリス、スイス、フランス、そしてドイツ。ブランド創業年のランキングを見ても、この4ヵ国が、精度の良い時計を競い合ってきたのがわかる。現在、高級機械式時計ブランドのほとんどはスイスにあるが、積み重ねてきた長い歴史の価値は、新しいオーナーや資本になったとしても、変わることはない。

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